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2013年8月2日金曜日

【俳句作品】二十四節気題詠句 その八 (網野月を 三十三句)


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            網野月を(「水明」同人)

(夏至・平成二十四年六月二十一日)
迷うだけ迷ったら夏至たる

(小暑・平成二十四年七月七日)
バングルの鈍き銀色小暑待つ
夜歩きの小暑の堤隅田川

(大暑・平成二十四年七月二十二日)
新聞の重大ニュースなど大暑

(立秋・平成二十四年八月七日)
立秋や迷いの解けて痩せ始む
立秋やもりは七味と切し胡麻

(処暑・平成二十四年八月二十三日)
月一の会なれば処暑にても

(白露・平成二十四年九月七日)
白露なれば異国の海の深紺碧

(秋分・平成二十四年九月二十二日)
秋分やトンキのコロモ何時になく
秋分寂し急に一人になったから

(寒露・平成二十四年十月八日)
寒露踏む右のみ素足の身障者

(霜降・平成二十四年十月二十三日)
霜降の東京オリンピック年悠か

(立冬・平成二十四年十一月七日)
薄墨の洛中洛外圖冬立ちぬ

(小雪・平成二十四年十一月二十二日)
白き舞いつと小雪を明るくす

(大雪・平成二十四年十二月七日)
大雪の後に冬至や水穂の国
京洛に汽車疾走する大雪

(冬至・平成二十四年十二月二十一日)
書架端の新美南吉冬至る
獣の母子の様に冬至る

(小寒・平成二十五年一月五日)
小寒や師匠も我も左党き
小寒や膳の支度に赤きもの

(大寒・平成二十五年一月二十日)
翁そば時雨そば鬼平の大寒

(立春・平成二十五年二月四日)
立春は律儀な奴が鼻をかむ
立春や豆の掃除は未だかしら

(雨水・平成二十五年二月十八日)
平成は雪の混じらぬ雨水かな

(啓蟄・平成二十五年三月五日)
啓蟄や額ぶつけて訴える

(春分・平成二十五年三月二十日)
春分の亡母に会いに吾ひとり

(清明・平成二十五年四月五日)
波際に手砂を洗う清明きょう

(穀雨・平成二十五年四月二十日)
街の穀雨左足引き摺る癖ある歩

(立夏・平成二十五年五月五日)
立夏とは藤色越して牡丹色
夏立ちぬ第二パーキングの砂埃

(小満・平成二十五年五月二十一日)
小満や俺の女は左利き

(芒種・平成二十五年六月五日)
旅路来て芒種の肌は白き白

(夏至・平成二十五年六月二十一日)
夏至の夜ヴェルギリウスより電話ある



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