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2013年8月16日金曜日

【俳句作品】 二十四節気題詠句 その十 (小早川忠義 二十四句、仲寒蝉、北川美美)


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         小早川忠義(「童子」会員・「あすてりずむ」)

(芒種 六月六日)
大股に歩く芒種の河原かな

(夏至 六月二十二日)
雲低くいつまで白し夏至の空

(小暑 七月七日)
玉子焼片方焦がす小暑かな

(大暑 七月二十三日)
のびてをり大暑のカップヌードルも

(立秋 八月八日)
秋立つや醤油に辣油玉を成し

(処暑 八月二十三日)
処暑の湯や二十数ふるまで漬かり

(白露 九月八日)
朝の日に白露たちまち消え失せぬ

(秋分 九月二十三日)
秋彼岸まんなか薄き中華菓子

(寒露 十月九日)
落つるまでふくらんでゐる寒露かな

(霜降 十月二十三日)
霜降やこはれし傘の何本も

(立冬 十一月八日)
紳士とは程遠くあり冬に入る

(小雪 十一月二十二日)
小雪の夜やをとこのおさんどん

(大雪 十二月七日)
大雪の朝や豚汁煮詰まりて

(冬至 十二月二十二日)
列車待つ駅に冬至の朝日かな

(小寒 一月六日)
小寒や狛犬の爪欠けてをり

(大寒 一月二十日)
大寒や人差す指の鋭くて

(立春 二月四日)
春立つや古きカメラを競り落とし

(雨水 二月十九日)
参道の森静まらぬ雨水かな

(啓蟄 三月六日)
啓蟄や歓楽街に影無くし

(春分 三月二十一日)
カツサンド喉に通らせ春彼岸

(清明 四月五日)
清明やノートに赤き丸ひとつ

(穀雨 四月二十日)
つきあつてくれと穀雨に濡れてをり

(立夏 五月六日)
立夏かな牛久の沼に河童訪ひ

(小満 五月二十一日)
小満を過ぎて変声はじまりぬ


         仲 寒蝉

(雨水 二月十九日)
中指へ雲のあつまる雨水かな

(啓蟄 三月六日)
啓蟄の釜飯の釜積まれあり

(清明 四月五日)
清明や船へ手を振る橋の上

(夏至 六月二十二日)
夏至といふ大きな回廊を抜ける


         北川美美(「豈」「面」同人)

(芒種六月六日)
たしか芒種「種まく人」の絵の前に

(夏至六月二十二日)
枕下に西洋弟切草(セントジョセフワート)夏至祭

(小暑七月七日)
交響曲第一番満席にて小暑

(大暑七月二十三日)
すでに秋かもしれぬと思う大暑

(立秋八月八日)
植木屋の鋏の音も今朝の秋

(処暑八月二十三日)
白鳥が水切ってゆく処暑の川



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