2013年8月9日金曜日

【俳句作品】  桜鯛 / 後藤貴子

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桜鯛   後藤貴子

 大震災より二年
桜鯛海の憤怒を吸ってゐる

鞭のごと布団は干され嘶けり

ガンガーに泛くパンプスの黒と白

沙羅双樹燃やせば恥骨残りたり

首折れしかたちきりんのすべり台

ペプシ缶に渤海5ml溜めており

毛がわっと抜け炎天のくらまみち

マンモスは脚上げたまま銀河かな

庭石に着せたる振袖は白夜

甘藍ののみどに刃すべらせる


【作者略歴】

  • 後藤貴子(ごとう・たかこ)



1965年生。新潟市在住。「鬣TATEGAMI」同人。句集に『Frau』『飯蛸の眼球』。現代俳句協会会員。

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