【俳句作品】 初蝶 ／ 中西夕紀

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　　　初蝶　　　中西夕紀
　
キヨスクに買ふ春手套上野発

叔母今も若き叔父恋ふうすごほり

初蝶にわれは猫背を正しけり

足高く上げるレッスン鳥雲に

花衣悋気の人と見受けけり

蜂とても貌のいろいろ来ては去る

水面をすれすれに杭春祭

別腹のされど大きなさくら餅

白粉をうなじに叩く柳かな

その人に銀座時代や春コート






【作者略歴】

• 中西夕紀(なかにし・ゆき）

1981年宮坂静生の市民講座から「岳」に入会作句開始。1982年「鷹」に入会し藤田湘子に師事。1996年「晨」に同人参加し後に宇佐美魚目に師事。2008年「都市」を創刊主宰。