2013年4月5日金曜日

第14号(2013.04.05.) あとがき

北川美美

4月。新年度、新学期に相応しく新コンテンツで充実の号になりました。

新たに俳句作品一挙に三作掲載!

その中の作者・中西夕紀さんと2011-12年にかけて行われた筑紫氏の呼びかけによる題詠句会にて同席させていただきました。講評の爽やかな語り口、真摯なお人柄に、こちらの居住いを正したい気持ちに。そういえば「鷹」で修練された女性俳人にお会いする度に同じような気持ちになるので、思わず『20週 俳句入門 藤田湘子』(角川学芸出版)を購入。大切に手許に置いてあります。

女性の俳句人口は確かに多い。お会いする方はそれぞれですが、共通するのは、みなさんどこか少女の面影が見え隠れして、その方の少女時代がみえてくるような印象を常に抱きます。そして眼力がある。もちろん中西さんにも。

俳句時評では湊圭史さんに御執筆いただきました。「詩客」での俳句時評は「日めくり詩歌」とならび各回常に高アクセスでした。当サイトでも注目のコンテンツになるでしょう。「電王戦」白熱しているみたいですね。「吹けば飛ぶような将棋の駒に~(「王将」)」を口ずさんでみました。俳句も確かに吹けば飛ぶような17文字。それに命かける。傍目からみたら不思議なことでしょう。笑えばわらえという「王将」の歌詞、頷けます。

「王将」
作詩 西條八十  作曲 船村徹
唄 村田英雄
昭和36年
1 吹けば飛ぶような 将棋の駒に
  懸けた命を 笑わば笑え
  生まれ浪花の 八百八橋
  月も知ってる おいらの意気地
 
2 あの手この手の 思案を胸に
  破れ長屋で 今年も暮れた
  愚痴も言わずに 女房の小春
  作る笑顔が いじらしい
 
3 明日は東京に 出て行くからは
  何が何でも 勝たねばならぬ
  空に燈が付く 通天閣に
  俺の闘志が また燃える

筑紫磐井

○新年度を迎えた。これを機会に、いろいろ新しい環境に入られる方もいらっしゃることと思う。本ブログも少し変更が生じた。「詩客」とのコンテンツの調整で、従来の俳句作品(10句)を「BLOG俳句空間」の方に掲載し、「詩客」ではそれにリンクすることとした。更新作業の合理化を図るためである。要は、これから歳旦帖・春興帖の他に、少し作品数の多い俳句帖も登場することとなると言うことである。根本的な変更ではないが読者には読みやすくなると思う。
その第1回目の登場は、中西夕紀氏、音羽紅子氏、三木基史氏。特に中西氏には、春興帖に参加する時間を割いてこちらに専念して頂いた、感謝申し上げる。以後続々と新鋭、古豪も登場する予定である。

○「戦後俳句を読む」も、吉村毬子氏についで、栗山心氏が参加することとなり、今回はその自己紹介を兼ねたエッセイを書いていただいた。お二人とも、中村苑子、細見綾子というかつて総合誌での人気を占めていた作家であるが、最近は次第に言及されることも少なくなった。特に、後継者の結社がないということが致命的であると見ている。しかし、我々後続の世代はそんなことと関係なく自由に評価をすることができる。お二人とも、女性の視点でこの人気作家を見直すこととなろう。ご期待を乞う。

○「二十四節気論争」は今回で完了。とは言え、日本気象協会は、新しい季節のことばをほぼ決めたらしい。どのように公表するのか、どういう条件で提供するのかは不明であるが。梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」にて、3月14日以前で選定会議が開かれたことが書かれている。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20130227/341801/?ST=career&P=6




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